おすすめ度:55%
監督と女優度:100%
みかんラーメン度:100%
原題:우리 영화 / Our Movie (全12話)

人生が停滞している映画監督が、余命宣告されている女優と作品を撮ることに…。2025年のロマンスドラマ。
あらすじ・キャスト
著名な映画監督の息子で、自身も映画監督のジェハ(ナムグン・ミンさん)。
成功したデビュー作品を監督後、次の作品を撮れずに過ごしていたのだった。
父親の過去の作品をリメイクで監督する話になり気乗りしないジェハだったが、難病の女優ダウム(チョン・ヨビンさん)とひょんな形で出会い、再びメガホンを取ることになる。
感想
映像が美しく、ゆっくりと進むラブストーリーです。
もしかしたら、ハマる方にはものすごくしっくり響く作品である一方、そうでない方は途中で視聴を止めてしまう「観る・観ない」が完全に別れてしまうドラマかもしれません。
私の感想としては、面白くないわけでは一切ないのですが、まず気になったのが主人公女性のキャラ設定に少々クセがある気もしました。謎の”わざとらしさ”のベールが常にかかっているというか…。
加えて全てにリアリティを追求する必要はもちろんないですが(ドラマですので)、なんだか綺麗ごとすぎるストーリーの流れも気になりました。
どこか表面的な雰囲気ばかりを掬い取っている気もして、そこが観ていてしっくりきませんでした。(個人的な感想になります)その点が、今作は私にとってハマらなかった理由となります。
そして話がどこに向かっているのか?誰の話なのか?についても、後半ちょっと疑問にも思えました。
とはいえ、どのようなエンディングで物語が終わるのか気になっていたのと、ナムグン・ミンさんもチョン・ヨビンさんのお2人ともとても好きな俳優さんですので最後まで視聴しました。
ただこれはあくまでも私の単なる素人意見ですが、「今作の」チョン・ヨビンさんの演技された「人物」については、私は正直なところ好きにはなれなかったです。(念のためですが、ヨビンさんご本人についてではないです)
いつものヨビンさんの演技よりも、何だか少し浮いたような(?)キャラになっていたなと感じました。
ダウムというキャラの心情が私にとっては、良く理解できなかったのも大いにありますが…。
とにかく(?)妙なクセがあると個人的には感じました。(あくまで勝手な感想です)

ストーリーですが、難病を患っているダウムという女性と、人生そのものが停滞している映画監督のジェハの男女2人の物語です。
観る前にあまり何も調べず雰囲気だけで観るので、偶然ですが直近で視聴した作品と同じくキャラの1人が病気を患っているという設定ということが視聴開始して割とすぐに判明したので少々テンションが下がりましたが、今作は全体的に暗さを感じさせるようには作られていませんでした。
人生の袋小路に迷い込み行き詰っていた男性と、余命宣告されながらも人生への希望と自分の可能性を捨てない女性。
この2人が映画作品を作り上げ、恋にも落ちるという物語です。
果たして映画は作品となるのか?気になる方は是非チェックしてみてください。
ゆるいネタバレありの感想


映画監督のジェハ。有名な映画監督の1人息子で、自身もデビュー作で賞を取ったりと評価されています。
しかし、その父も亡くなりジェハは現在「何もしていない」状態。デビュー作以降、作品を何も撮る気になっていなかったのでした。
それはジェハの父が亡くなったからではありません。元々ジェハは、父親に対して複雑な感情を抱いていた様子。
売れっ子の映画監督で多忙だった父は、病気だった母と幼いジェハに冷たくあたっていたのでした。
加えて、父親が脚本を書いたと思っていた有名作品「白い愛」は、実は母が書いたものだったと今になって知ることになり、ジェハは怒りとショックを受けます。
ちょどその頃、父親のあの「白い愛」をリメイクで撮影しないかという話がジェハのもとに来ます。
当初は断っていた誘いでしたが、この母親が脚本を書いていた事実を知ったこともあり、ジェハは自分の「白い愛」を撮影することを決断するのでした。
主演女優
遺伝性の病気を患い余命宣告を受けているダウム。
彼女は女優を志していましたが、病気のためその願いはかないません。しかし夢を決して諦めてはいなかったのでした。
ジェハが「白い愛」の作品作りのために大学病院を訪れたことがきっかけとなり、ダウムはジェハと”知り合い”になります。
そして彼女は、ジェハにも内緒で主演女優のオーディションを受けるのでした。
ジェハは彼女が余命宣告をされている病人だということは知っていましたし、彼女のキャスティングは到底”ありえない”と考えます。
しかし、オーディションで見たダウムの演技に一瞬で魅了されてしまうのでした。
ジェハはダウムを主演女優として、あの因縁の「白い愛」を撮影することを決めます。
ですが、そこには問題と不安が山積みだったのです。
気になった点など


ちょっとネガティブ気味になります、すみません(全て個人的な感想です)
主題について
当初は人生の目的を見失っていたようなジェハと、余命がわずかながらも全力で日々生き、自分の可能性と人生の”ミラクル”を諦めない女性のラブストーリー(ロマンス)になるのかと勝手に思っていました。
もちろんそうなってはいました、いたんです…。
ですが、個人的には「ラブストーリー」としてはイマイチ2人の感情が私にはかなり掴みにくかったです。
ジェハは恐らく病院でアドバイザーとして再会したあたりから、ダウムを好きになっていたと思います。
そしてダウムは…、白い愛のオーディションより前からジェハのことを追っていましたよね?客がいない映画館で「会えた」と呟いているシーンがありましたので、ジェハのことを追っていたのは明確です。
ただダウムの行動の背景(何が目的でジェハを追っていたのか、役欲しさなのかジェハへの憧れなのか)が語られなかったので、このあたりもよくわからず引っかかりました。
このように、一体この2人の恋愛がどこからスタートして、盛り上がって…という流れが、全体的にそもそもわかりにくかったように思えました。
今作はロマンスだけが主題だとは思いませんが、しかし2人の”お話”になっていますので、重要だと思われる恋愛パートがボヤけているなあと感じました。
ジェハ父との確執
ジェハは「父の」白い愛という作品を、「本当の、自分の、そして母の」白い愛にリメイクするという強い気持ち、意地があったと思います。
父親は白い愛の主演の女優と恋仲になったという”ウワサ”(これは後にウソだと判明しますが)も背景にあります。
しかし一方で、ジェハこそが主演女優ダウムに気付けば強く心を奪われてしまっています。
父と自分は違うと強く抵抗しながらも、自分こそが父と同じ道をたどっているという皮肉。
…と、白い愛のリメイクを通して父と自分を対比するというストーリーは面白いと思ったのですが、ちょっとジェハがクールキャラ一辺倒すぎて、あまり彼の葛藤と戸惑老いのようなものが伝わらず勿体ない(?)気がしました。
後半ジェハは人が変わったレベルでキャラが簡単に変わったので若干困惑しましたが、もう少し早くから感情を表に出しても良かった気がしました。
ダウムというキャラ
入院生活が長いため、恋愛も未経験で子供っぽさも強く残る設定なのかなと思っていましたが、大学の途中から入院でしたし、過去に恋人的存在もいましたし、エキストラで映画(ドラマ)の撮影現場に入ったこともあったような描写がありましたので、「それならば…」と正直なところまあまあな違和感を覚えました。
完全に無邪気で天真爛漫のようで、一方で計算高そうだと思われるところもありましたし、彼女の性格が観ていてわかりにくかった。
それと、これはドラマなのでしょうがないのですが、かなり深刻な病状の中で主演女優という責任ある大役を得ながら、寒い日に屋外でジェハを待ち伏せしたり、雨に濡れたり、あまり栄養が無さそうな食べ物をよく食べていたりと、なんとなく設定に色々ムリがありすぎるだろ…とついつい思ってしまいました。すみません。
何の話なのか
後半はダウムが亡くなってしまう、2人の別れということがテーマになるのかと勝手に思っていたのですが、いつの間にかジェハの母の無念を晴らす!というような感じの流れになっていったのが個人的によくわかりませんでした。
ジェハは脚本を書いていたのは父ではなく、母!と発表し、母の名誉を回復できてヨカッタネ…という流れです。
ただ、それがリメイクのきっかけとはいえ、視聴者側としてはその点は正直あまり関係ないところですよね…。なぜなら、ジェハの両親の話はストーリーのメインじゃないからです。
だったら、序盤にもっと父と母の関係性や「なぜ母は陰で父のために書いていたのか?」をそもそも詳細に明かす必要があったと思います。
父は勝手な人だった、母は病気だったのに!のような、少しのヒントだけしか与えられていなかったのでこの展開は謎でした。
そもそも母はジェハにゴーストライターだった無念を訴えていたのですか?わかりません…。
視聴していて、とにかくこの後半の一連の両親と脚本エピソードについては、そもそもがよくわかんねえな…と思ってしまいました。
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ということで、ドラマ最後のあたりは急ぎ足で色々上手く解決しすぎな気もしつつ、
大きな驚きはあまりなく静かに終わっていきました。
ロマンティックなシーンも多く、カメラアングルなども美しかったです。出演されている俳優陣は全員とても素晴らしくて、さすがだなあと思いました。
ただ、細かなエピソードの設定とその繋がりが個人的にあまり理解ができなかったので残念ながら作品に強く共感することができませんでした。
とはいえ、既に書きましたがハマる方にはしっかり泣けるお話になると思いますので、少しでも気になった方は是非ちょっとだけでも一度観てみてください。(私のような他人の感想なんかよりも、こればかりは皆さんが観てみないと合う・合わないはわからないと思いますので…)

