韓国ドラマ「ウンジュンとサンヨン」の作品情報・あらすじ・感想

ヒューマン

諸事情により先週は更新できなくてごめんなさい。とても大変だったよ…。

そんなわけで2週間くらいかけて見てた「ウンジュンとサンヨン」の感想がようやく書けたよ~。

作品情報

  • 邦題:ウンジュンとサンヨン
  • 原題:은중과 상연
  • 英題:You and Everything Else
  • 放送:2025年
  • 話数:15話(1話約60分)
  • 日本国内配信:Netflix(2025.9現在)

予告編

あらすじ

百想芸術大賞の授賞式に登場した、映画製作会社代表のサンヨン(パク・ジヒョン)。授賞式のスピーチでサンヨンは、自分の人生に一番影響を与えた友人としてウンジュン(キム・ゴウン)の名前を挙げて感謝を述べるが、ウンジュンは驚きを隠せない。

なぜなら2人はもう随分前に絶交していたからだった。

1992年、ウンジュンの小学校に転向してきたサンヨンは、広いアパートに住む裕福で頭の良い少女だった。事故で父を亡くし、貧しい家庭に暮らすウンジュンは、サンヨンに憧れを抱くが…

ウンジュンとサンヨン、2人の幼少期から現在までの複雑な友情と人生物語を描いたヒューマンドラマです。

評価(momoruruが勝手に採点♪)

momoruru

総合評価 93点

親友だけどライバル。大好きだけど一番嫌い。
複雑な感情で揺れ動いていく苦しくて優しい友情の物語を、時間をかけて丁寧に描いたヒューマンドラマ!
最終話にはとんでもなく泣かされるからお気を付けて~。

感想

苦しくて苦しくて優しい、友情の物語

いやー。泣いたよ~。特に終盤、ものすごく泣いたドラマだったな。

キム・ゴウンとパク・ジヒョンが主演するこのドラマは、2人が演じるウンジュンとサンヨンが、小学校時代に出会ってから40代になるまでの複雑な人生物語を、過去と現在を行き来しながら描いていくヒューマンドラマ。

同じ学校で一緒に過ごした10代、大学の写真サークルで再会した20代、映画制作会社で偶然再会する30代、そしてお互いに独立をした40代に再びウンジュンの前に現れたサンヨン…。

何度かの別れと、何度かの再会を経て、40代になった2人がその人生を振り返っていくストーリーなんだけれど、映画のように美しい映像と共に語られていく辛くて重い現実に、きっと泣いちゃう重めの作品なので、涙もろい方はハンカチのご用意をお忘れなく~。終盤は特に号泣必至だよー。

実は、40代のウンジュンとサンヨンが登場するプロローグで既に、2人は既に「絶交している」ということが分かっちゃうの。だから「一体、2人はどういう経緯で絶交することになったんだろう?」って思いながら視聴することになるんだけれど…

ほんとこの脚本が良く出来ててね。
ウンジュンとサンヨン、どちらの視点から見たとしても、2人が絶対に一線を越えないようにできてるんだよね。

絶交するってことは、お互いに憎みあっているわけで、それはつまりどちらかが絶対に越えてはいけない線を越えちゃったってことでしょ。例えば、許されない嘘をついたとか、裏切られたとか、お金のトラブルがあったとか、恋人を奪われたとかね。ドラマ的にも「これをされたら憎むよね」と誰もが納得できるような理由があるはず。

でもこの脚本は見事なまでにそこを避けて進んでいくんだよね。ウンジュン目線で見ても、サンヨン目線で見ても「それは仕方ないよね」とか「もしかしたら私でもそうするかもしれない」ってことしか起きない。

momoruru

この続きはネタバレありますのでご注意を~

2人の間にある軋轢っていうのは、ウンジュンがサンヨンの母親や裕福な暮らしに憧れてた幼少期を除き、ほとんどがサンヨンからウンジュンへの嫉妬ではあるんだけど、サンヨンはウンジュンを陥れたりはしないの。先輩のことを好きな気持ちは諦めきれないけど、嘘をついて奪ったりは決してしなかったし、ウンジュンへの愛情は確かにあって、だからこそ彼女への道理は通してる。

サンヨンが江陵に引っ越したことを言えなかったのも、お兄ちゃんの死の真相を探すことを秘密にしたのも、母の死後にウンジュンとの別れを一方的に決めたのも、それによってウンジュンはひどく傷ついたとしても、サンヨンにはそこまで追い詰められるだけの理由はあったと思う。私でもそうしたかもしれないし。

これが天真爛漫な天使ウンジュン VS ひねくれ者の悪魔サンヨンっていう話だったら凄く簡単で、見てるこっちだって「いや、それは違うだろサンヨン~」って画面に向かって文句を言えばいいだけなんだけど、これが全くそうじゃないから、見ていても苦しいんだよね。

どれだけ追い込まれてもウンジュンを裏切ることもできず、かといってウンジュンに曝け出すこともできないサンヨンの不器用さが、どうにも嫌いになれなくてツライ~。

だからこの2人がどうやって「絶交する」まで憎み合うことになるのか、本当にそんなことが起こるのか、私には気になって仕方ない視聴だったよ。

そして遂に13話の終盤。遂にサンヨンが~!
起業して「あなたも壊れればいい」って言ったときに、サンヨンは結局決して越えちゃいけない線を越えてしまい、遂に絶交しちゃうの…。

でもこれもうほんと、絶対的にサンヨンが悪いのは分かるんだけどさ、今まで耐えに耐えてのコレだから、手放しに「ウンジュンが可哀相!!」とは思えない自分がいて、「ああ…遂に」っていう気持ちの方が強かった。いやー、めっちゃ引っ張ったし、忍耐力のある脚本だったな~。ここまでくると納得せざるを得なかったもの。

「こんなに慕ってる2人なのに、どうして絶交するほど憎み合ってしまったのか?」っていう視点で見てきたからか、私からすると最終話の安楽死についてはもう全く別の話でだったし、正直ストーリーからは逸脱してる感すらあったんだけど…

でもあまりに悲し過ぎてめっちゃ泣いたわ。テーブルの上がティッシュの山だったよ。スイスでの旅路なんて、美しい景色に微かな開放感はあるんだけど、ウンジュンの異常な緊迫感が伝わってきてさ、こんなん泣かないわけないでしょ~!

いずれにしても、主人公が亡くなってしまうドラマっていうのは、見た後の無力感が凄いよね…。

2人の女優魂に泣かされる…

暗くて重いドラマだからこそ、役者の演技力が大事だったこのドラマ。

さすがはキム・ゴウン、学生時代やPD時代ではかなり抑えて演技してたと思うんだけど、40代の演技は凄かったなあ。ウンジュンの静かな怒りや、飲み込んでいく悲しみを、少ないセリフと表情だけで表現しちゃうのは期待通り。

特にスイスに渡ってからのキム・ゴウンの演技が私には鮮烈で、複雑な感情を抱えながらも、不安は笑顔で隠して、泣き声は隠して、壊れそうなくらいに張り詰めたウンジュンは見ていてツラかったよ…。

前半から圧倒的な存在感があったのはサンヨンを演じたパク・ジヒョン。この人すごく綺麗なのに謎に悪役が多かったけど、今までの悪役で培ってきた強さとか脆さとかが良い具合に溶け合って、サンヨンの抱える劣等感や葛藤をすごく自然に表現してた気がする。

役と一体化してる感じがしたし、このドラマがパク・ジヒョンの代表作になりそうだよねー。終盤でどんどんやつれていくシーンでは、本当に痩せていくしさ…彼女の女優魂に唸った~。

キム・ゴウンとパク・ジヒョンは「ユミの細胞たち」以来のユミ&セイ以来の共演かなー?キム・ゴウンの方が先輩だし、実力や知名度も上だと思うんだけど、今回は2人の演技が響き合うような素敵なケミだったね。

ところで、ウンジュンとサンヨンが好きになってしまうサンハク先輩を、そこまで知名度のないキム・ゴヌが演じてたのは私には結構意外だったんだけど、終わってみれば、いわゆるイケメントップ俳優が演じてないところもこのドラマのポイントだったのかも。ウンジュンとサンヨン、2人が主人公のドラマだもんね。

それから…韓ドラファンにはとてつもない既視感があったと思うんだけどさ…
他の女に「揺れた」発言をしてキム・ゴウンからすっぱり切られる先輩って…完全に「ユミの細胞たち2」のバビだよねw あの、申し訳ないけどキム・ゴウンの前で揺れた発言したらアウトなんで、その気持ちは墓場まで持ってってくださいw

というわけで心に染み入るような素敵なドラマだったんだけど、私がちょっとだけ引っ掛かったのは、2人が絶交するまでの過程をものすごく長く丁寧に描いていくのに、最後の安楽死の話があまりにも重すぎたところ。最後のインパクトが大きすぎて、それまでのあれこれが霞んでしまう気がしたし、それにサンヨンの悔しくて苦しい人生に対して、若くして「死」を迎えることって必然なのかな?と少し疑問に思ったりもした。もちろん、解釈は色々あると思うんだけどね。

重くて辛いけど、つい自分の人生に重ねてしまうほどリアルで引き込まれるドラマだった。たくさんの人の人生ドラマになりうる気がする良作でしたー!

OST

このドラマはとにかくこの2曲!まずは、チェ・ユリの「REASON」。

それからもう1曲は、Seoriの「WEIRD MIRROR」。この2曲なしには語れないほど、このドラマの重くて切ない雰囲気を作り出してた曲だったね。

今回のOSTのはSeoriが4曲も参加してるんだけど、他の曲も良かったのでちょっと紹介。
こちらは「BLUE TEMPERATURE」で、

それから「NOTE AND PENCIL」も良かった~。サビが泣けるのよ…。

momoruru

サンハク先輩は宮崎駿の座右の銘は「つらいこともいつかは終わる」だって言ってたけど、私が昔から知ってる宮崎駿の座右の銘は「大事なことは大抵めんどくさい」なんだけど、なんで~ww

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