おすすめ度:37%
島巡り度:100%
VIPの客度:100%
原題:오징어 게임3 / Squid Game season 3 (シーズン3、全6話)
ついに運営に反乱をしかけたギフンだったが…?2025年のデスゲームドラマ、シーズン3
あらすじ・キャスト
強い目的を持って再びイカゲームに参加したギフン(イ・ジョンジェさん)は、運営組織に対する反乱を試みるが、失敗してしまう。ギフンは参加者の中でも孤立するのだった。
ゲームが佳境に入り、参加者の状況も大きく変わっていくが…。
感想
何だったのか?
ついにこのシーズン3で(一応)完結したイカゲーム。
シーズン2では個人的には不満を残しながらも、続くこのシーズン3では全て何かしらの「答え」が出るのだろうと望んでいました。
ですが、何とも的を射ないような、かなり微妙でガッカリ感ある結末になっていると私は思えました。(個人の感想です)
少しネタバレですが、この3から(ある意味)新しい参加者が追加でゲームに加わります。
この人物が出てきた瞬間にもう先が読めてしまって、まずそこで私は相当…心底ガッカリしました。無難すぎる。
カネを巡った生死を賭けた血みどろの地獄…、それと対局にある「もの」。
本当はそれが人間として、最も大切な”こと”なはず。
それがこのシーズン3では主に描かれている訳です。確かにそれがこのイカゲームのストーリーの締めくくりには相応しい主題だと思えました。
だからこそ、実際にギフンはそれを問うためにこのイカゲームを止めたかった、ぶっ潰したかったと思います。
本来そのような熱い思いを持って再びこの地獄に舞い戻ってきた主人公ギフンの行動の一貫性が、この3ではそもそもブレていたようにも思えました。
加えてギフンと共に島の外から兄を探していたジュノ。
彼については特にそうですが、「結局何がしたかったのか?」というものばかり。
とにかくこの「イカゲーム潰し隊」の面々が観ていてまるで要領を得ないものばかりでした。(ノウル以外)
・各キャラの背景
・フロントマンの真の気持ち
・”冷やかし”しかしないVIP邪魔
・見せ場ゼロのジュノとエンディングの謎
・シーン6割は拗ねていたギフン
など、色々書きたいことがありますが、申し訳ないですが全てネガティブな感想になります。
演じておられた俳優さんは皆さんかなり熱演されていていて、シーンそのものは全て見応えはありましたが、やはりどの”ゲーム”も結局は1の焼き直しのようでしたし、あまりスリリングさを個人的には見出せませんでした。
チーム分け戦などでは、一方が不利すぎるような条件では?と思えた時もありましたし。その理不尽さ非情さがイカゲームなのでしょうが…。
とりあえず、結局3を観ても何もスッキリしない!そんな気持ちです。
全てのドラマに綺麗に結末があるべきだとは全く思いはしませんが、今作については前作2含めてやたら無駄に引っ張られたという印象と、1と(ある意味で)何ら変わらない結末に大変ガッカリしました。
というのも、何も解決しないならばシーズン2、3の存在意義が薄くなっただけで、結局1だけが面白かったという印象のみになってしまうと思いますので…。
ちなみに、ハリウッド版のイカゲームに続く…(シーズン4扱いになるのかどうかは不明ですが)というような匂わせもあります。
ネタバレですが何とケイト・ブランシェットさんが特別出演で登場しますので、気になる方は是非イカゲームシーズン3をチェックして観てください。
気になった点


今作については個人的に気になった点を思いついた順で書きます。
(ネガティブなものが多いですが、個人の感想です。すみません。)
ギフンの逆恨み
2でギフンが運営側に反乱を起こしますが、割と簡単に鎮圧されてしまいます。
そもそもギフンが綿密な計画を立てて「イカゲーム会場」に再び参加しなかったのが、普通に1番の大きなミスだったのは明確です。
彼は裸一貫で「俺はこのゲームを知っている!言うことを聞け!」だけでのし上がってきたキャラです、この2、3では。
カネによって人は簡単に狂ってしまう…というのは、1で散々描かれたテーマ。
そんなカネに飢えた獣たちに、そんな理屈が通用しないのは火を見るより明らか。むしろギフンこそ過去のゲームで一体何を学んだのだ?、そう思ってしまいました。
クーデターが失敗し、ギフンさんは不貞腐れたようにデホ(カン・ハヌルさん)を睨むだけ。
デホが状況的に悪かったのは、もちろんそうかもしれません。
しかしこんな極限状態で自分の損得しか考えられない事情です、失敗や裏切りが発生するなどは容易に考えられること。
そしてデホ1人を今ここで恨んだからって…と、個人的にはギフンの態度にガッカリしました。もっと大局見るべきだったのでは?
またギフンは途中から「そんな人じゃない」という幻覚で自身の目的に目覚めて222の子を守る神聖なファイターになっていましたが、デホらを普通に殺していましたので、どうしてこんなストーリーにしたのかと素人ながらに思ってしまいました。


222の赤ちゃん
ギフンが本当にやり遂げたかったこと。
それはカネの力だけで人の命を弄ぶという恐ろしくも馬鹿げた、そして「間違った」このイカゲームを潰すというものだったと思います。
しかし、この生まれたばかりの赤ん坊が出てきたことで彼の目的は子供を守ることになりました。
それは”人として”当然だと思います。
思いやりや、人間としての「理性」を失わなかった、フロントマンとギフンの”違い”はそこだった…という流れです。
フロントマンがかつてが参加者だった頃の自身の姿をギフンを重ね合わせます。
ギフンも自分と同じ”汚れた”同類の人間なのだと信じたかったのでしょう。ギフンを試します。ですがギフンは違いました。
ですが、この赤ちゃんが出てきた時点で、もしかしてビョンホンさん演じる過去のフロントマンが参加者だったとしても、ギフンと同じ行動を取った、取らざるを得ないのかも、とは感じさせました。
相手はこの世に出てきたばかりの真っ新の命です。
そんな”相手”が敵になりうるでしょうか?普通は無理です。どんな人間でも、それは無理であって欲しい。
ですので個人的に人道的にも、赤ちゃんが出てきた時点で優勝者が1人ですので、この先主人公ギフンがゲームを”降りるしかない”のは明白すぎました。
ドラマとして「人を信じるか?」を問う以前に、赤ちゃんというアドバンテージありすぎキャラを参加者としてしまった時点で、フィクションのドラマのストーリーとして心に訴えるものが逆に希薄になってしまったように思えました。


キャラへの愛着ゼロ
これは2からの個人的な気持ちになります。1よりもゲーム参加者に対する共感や寄り添うような気持ちを3になってもやはり持てませんでした。
1よりもこの2、3で行われたゲームは、どこかキャラ同士が何故か分断されたものばかりだったような気もしました。
そのせいか、自然と割と初期からグループとしてわかりやすく存在していた、クムジャ・ヒョンジュ・ジュニの3人の女性たちを私は唯一応援していたのですが…。
そのせいか、1番盛り上がるべき最後のゲームに残った参加者たちは急に集まった面子のようで、安易な脱落の方法ばかり。(演じている役者さんらの文句ではありません)
ちょっと全てがボンヤリしているなと思ってしまいました。
なぜジュノが赤ちゃんを?
優勝者222の子供、この赤ちゃんは何と後日ジュノの元に。
すみませんが、単純にこれについて私は意味がわかりませんでした。
そもそもジュノはこのイカゲームが行われている時、ずっと船で「ミステリアス島巡り!周遊6日間コース」をパートナーであるチンピラの「船長が怪しい」という助言も一切無視して堪能していましたので、この子供の存在についてよく理解していないと思います。
最後に兄であるフロントマンが子供を抱いて、地階へ降りるところだけを目撃していましたよね…。それだけですが…。
フロントマンが唯一信じられる存在が、弟のジュノだったということぐらいしか考察できませんが、雑…。
弟とは会話をせず、しかし子供と託したフロントマン。彼は果たしてこの子に対して何を思ったのでしょうか。
ギフンの死、そして自分との「違い」を痛感し、再びフロントマンは人を信じたくなったのでしょうか?
ジュノは、ただただ困惑だろうなと正直なところ思います。
VIPたちの存在意義
彼らが出場者についてからかう短い会話を交わすシーンが想像以上に多すぎて、普通に不要だと思いましたし、このVIPシーンについては観ていて率直に本当につまらなかったです。
ステレオタイプ的などうでもいい茶々をいれるだけのVIPシーンより、ゲーム参加者同士の会話シーンなどをもっと増やして欲しかった。
ゲームは終わらない
結局ギフンが望んだような”終わり”とはなりませんでした。
あの島の施設は破壊されました、しかしフロントマンは生きていますし、国を変えてまた”ゲーム”は続くようです。
かつてフロントマンもイカゲームの参加者だったことは明かされましたが、一体どのようなプロセスを経てフロントマンになったのか?
彼がなぜ一度は参加者としてギフンらに接触したのか?
ギフンの持ち物を娘の元へ届けたのか?その意図は語られません。
しかし結局どんな地獄を見ても、人のカネに対する欲望は終わりはない…そんな皮肉を伝えたかったのかもしれません。
ですが、個人的にはそんな矛盾と皮肉めいたメッセージよりも、シーズン3構成にまでした今作の”終わり”をちゃんと見たかったなと思った次第です。
ということで、2でも不満を感じましたが、残念ながらシーズン3も面白い!とは思いませんでした。(個人の感想です)
3作のまとめを感じられるフィナーレになるかと思っていたのですが、何となく後味が悪いというか、結局何だったのか…というスッキリしないものを感じて視聴を終えました。
シーズン1の感想:
シーズン2の感想: