韓国ドラマ 呑金 タングム (感想)

Netflix

おすすめ度:65%
息子度:100%
ミステリー度:100%
原題:탄금 / Dear Hongrang (全11話)

タングム 呑金 考察感想レビュー あらすじ ネタバレ ネトフリ

失踪から12年後に記憶を失ったまま戻ってきた弟、彼は本物か…?2025年のミステリーロマンス。

あらすじ・キャスト

大きな力をもつ商団の嫡男ホンランは幼少期に行方不明になってしまう。
その12年後、ホンラン(イ・ジェウクさん)本人だと言って突然家に戻ってくるのだった。
弟を片時も忘れたことのなかった姉のジェイ(チョ・ボアさん)は、彼は偽物ではないかと疑うのだったが…。

感想

なんでしょうか、悪くは決してなかったのですが、主題含めて何もかもがハッキリしないというか…。
盛り上がるポイントは色々用意されてあって、その場は何となく納得させられるような雰囲気に乗せられそうになりつつ、20秒後に「でもアレは何だったのか…」と即真顔になるというか。なかなか謎なドラマでした。
最初の1、2話ぐらいをみるとかなりミステリアスでファンタジックな印象を私は強く感じたのですが、最後まで視聴すると色々な要素が詰め込んでありはしますが、割とベーシック(?)な復讐と愛憎にまみれたお話のようにも思えました。

姿を消してしまった幼かった弟ホンランを、今もずっと探し続ける姉ジェイ。そんなある日、弟がいきなり戻ってきます。
ジェイにとって義理の母であるホンランの母らは大喜びするわけですが、ジェイは彼が本当に本物の弟なのかと疑います。
嫡男ホンランの代理を務めているような状況だった養子ムジン(チョン・ガラムさん)の顔もくもります。
それぞれが異なる気持ちを抱えながら、このホンランという存在を巡ってお話が進むわけです。
ただ問題として、この「色々な要素が詰め込んである」という部分です。個人的には少々欲張りすぎていたのかなという感じもしました。
人間とは思えない妖怪のような者の存在、禁断の愛、家族内の愛憎復讐劇、そして謎の絵描き…などなど、どれもこれもしっかり説明が必要なエピソードが大量。
これらについて、全11話のサイズでは上手く描き切れてなかったとは正直強く思えました。
テンポの問題というより、単に設定がありすぎた感。それが回収できてなかったのが最も残念でした。
ですので、視聴後には「何だったのか…」という感想がまず頭に浮かびました。そこが個人的にはちょっと「うーん」と思いました。
そんなこんなで、視聴していてひっかかる点が多くあって、何だか作品に没頭できないというか。
とはいえ私は中だるみすることもなく、ハマりはしませんでしたが、つまらないとは決して思いませんでした。
が、視聴後に満足感を得たドラマとはなりませんでした。(個人の感動です)
ジェウクさんが主演された『還魂』を明らかに意識したようなシーンも出てきたりしますので、気になった方は是非視聴してみてください。

ゆるいネタバレありの感想

名を馳せた商団のミン商団。その長男であるホンランは12年前に姿を消したまま。
まだ幼いホンランに何が起こったのか?一体どこに行ってしまったのか?
姉のジェイは、12年経過した今でもずっと密かに弟の行方を探し続けていたのでした。
ホンランの母親ヨンイとジェイの実の母親は異なります。そのためホンランがいなくなってから、ジェイは常にヨンイから目の敵にされ、虐げられていたのでした。
そんなジェイの精神的な助けになっていたのが、兄のムジン。
ムジンはホンランが消えてから家の養子となって商団のあれこれを父から学び、次第に”嫡男”としての立場を強くしていたのでした。
実の息子ホンランが本来いるべき場所をムジンが奪っている…!ヨンイはムジンに対してもジェイに対するのと同じく強く敵意をむきだしにしていたのです。
このようにジェイとムジンはこの家では孤立した状況に置かれていて、2人はお互い兄妹として助け合って寄り添って生きていたのでした。
しかしそんなミン商団にある者が帰ってきます。そう、あのホンランです。

本物なのか?
12年後の今、ホンランが帰ってきました。
様々なチェックを経て、有識者らはこの記憶喪失の人物を「本物」のホンランだと断定します。母ヨンイはこれには大騒ぎです。
しかしジェイはこの男のことを全く信用していない様子。
過去にも数々の偽物のホンランは”帰って”きたことはありました。どうせすぐに偽物の尻尾を出すに違いない…ジェイは疑います。
この突然戻ってきた謎に包まれたホンランを見て、ムジンもまた不穏な気持ちを隠し切れません。
もし本当に嫡男であるホンランが戻って来たならば、この家で自分の立場が不要になるのは明白なのでした。
ホンランに対して疑いを隠さないジェイは、幾度となくぶつかり合います。
しかし次第にジェイはホンランに過去の弟の姿が重なって見えたり、また別の不思議な感情が芽生えはじめます。
そんなジェイの内面に起こっている変化を静かに見つめるムジン。
実はムジンは兄としてだけでなく、ジェイに対して恋愛感情を抱いていたのでした。

気になった点

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・サラゲ早すぎ問題
私が一番最初に「!?」と感じたのが、ジェイが割と早くホンランに対して愛を告白してしまうところでした。
心なしかホンランことイ・ジェウクさんも「えっっ?早っ!」という表情をされていたような…?(私の勝手なフィルター視聴です、すみません)
いくら何でもサラゲカードを使うには早すぎないかと観ていて困惑。
というのが、この2人最初は(当然)いがみ合っていた仲だったんです。
ドラマあるある、敵から恋愛に発展!というありふれた構図でしたが、2人の気持ちを重ねる部分が今作では観ていて相当少なかった。
加えて、ジェイにとってはそもそも(立場的には)姉弟の禁断の恋愛になってしまうという迷いや葛藤が当然あるべきだと思ったのですが、そのような点も潔いレベルで一切見られませんでした。
またムジンに「ホンランは弟ではなく、男!!」と夢見がちな表情で迷いもなく堂々と宣言。
ホンランが偽物でほんとに良かったですね、ジェイさん…。
ムジンの方が「離れたら気の迷いだとわかるよ」とたしなめ、ジェイに心なしか「大丈夫かコイツ…」と若干困惑していたような。(私の勝手なフィルター視聴です、すみません)
もちろんムジンさんは好きなジェイをホンランに取られてしまったらたまらないので、ライバルとしてはここは当然の助言ではありますが…。
とにかくジェイさんは好きになったら特攻を仕掛けるタイプなのか、ホンランに初手いきなり愛の告白をぶっぱなしていたので、視聴者をやや置いてけぼりにして、3段飛ばしレベルで階段駆け上がりすぎだろ…と思ってしまいました。キスの力は絶大。
また、これは個人的な考えですが、ムジンに「ホンランは男!」宣言をしてしまったことによって、もうムジンの三角関係としての立場が早々に完全に消えうせてしまった訳ですから、「恋愛モノ」視点としてはあまり面白くはないかな…とは思えました。
このサラゲカードを序盤に出されたことで、ホンランとジェイのラブストーリーの部分だけを考えると、その後一本道で盛り上がりに非常に欠けていて残念に思えた次第です。

・雪鬼問題
最も失望というか「あのさあ…」と思ったのは、散々引っ張ったこの雪鬼ネタでした。
人間とは思えない行動で子供たちを連れ去ったとされる、この謎の鬼と噂される白い化け物。
この雪鬼のせいで、ファンタジー/ミステリー要素を強く残していて、最初は特にホンランも実は鬼か?と私は疑っていたりしていたのですが…。
推測ですが、大君一味が子供たちを虐待していた時、薬品をかけたりする描写が何度かありました。
恐らくあの鬼の設定はその薬品が影響した悲しい過去を持つ人…というような感じなのかもしれませんが、何もかもが謎です。
それと、途中まで雪鬼は屋根を飛び回るというか、とにかく人間味を感じさせない素早さを持つというシーンが多々ありました。
ですが、拍子抜けするぐらいあっさりホンランにやられていたので、鬼の動きとはなんだったのかと視聴していてキレそうになりました。もちろんホンランが強いのかもしれませんが…。
というか、この雪鬼設定はそもそも必要でしたかね??
最初から鬼!鬼!とやっておいて、さっさと退場してしまった鬼…。
結局なにも説明されないまま、本当なんだったのか。

・その他未解決問題
イカれた画家:狂気の大君を守るためのカモフラージュのためだけの存在?
一死:結局何だったのですか?
のぞき見:ホンランさん欲望丸出しはやめてください
ムジン:もう失うものはない態度はやめてください
ミン商団の夫婦仲:悪すぎ
大君:狂気すぎ

ということで、ラブストーリーとしてもまさかの(?)サッドエンドで結構派手な山場が色々用意されてあるドラマだなあとビックリしつつも、そのぶち上がった数々の問題が全て謎のフェードアウトとなり、観ていて気になってしょうがありませんでした。
テンポも良かったですし、11話でしたので飽きずに視聴しましたが、「おう…」という状況で私の感情がフェードアウトした状態で視聴を終えました。

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