配信年:2025年
全8話
Disney+独占配信
脚本家:キム・ソニ
オススメポイント
命を救うメスが、いつからか‘‘復讐の刃’’になったのか。
医療サスペンスという枠を超えた、濃密で重厚な心理ドラマ
全8話という短い構成にも関わらず、ひとつひとつのエピソードが濃く、深く、そして鮮烈な印象を残す衝撃的な物語
師弟関係だった、二人の医師の「尊敬と憎しみ」「信頼と裏切り」感情が交差する中で視聴者は何が真実で、何が正義なのかを問いかけられる
簡単なあらすじ(ネタバレなし)
元天才医師のセオクと、彼女をどん底に突き落とした師匠のドッキとの対決を描いたメディカルサスペンスシリーズ。
引用元:Disney+公式
主な登場人物
チョン・セオク(演:パク・ウンビン)

元天才外科医
今は違法手術を請け負う「闇医者」として生きる
チェ・ドッキ(演:ソル・ギョング)

神経外科教授でセオクの元上司
セオクを手術室から追い出したせいで敵対関係になる
ソ・ヨンジュ(演:ユン・チャニョン)

セオクの手術で命を助けてもらってから、そばで身の回りの世話をする
盲目な理解者
ハン・ヒョンホ(演:パク・ビョンウン)

セオクのよき理解者で、一緒に違法手術をする医者
注意!私的ネタバレあり感想
⇩
⇩
⇩
愛の形はいろいろあるのね

「愛情」の反対は「無関心」と言われているように、興味のない人には憎しみすら湧いてこない
かつては師弟関係だった2人で、恩師であり慕っていたドッキにセオクは
「先生早く死んでくれませんか?」と衝撃的な言葉を浴びせるほど関係は悪化する
そこには深い深い憎しみの裏に歪んだ愛情があると思う
常軌をいつ脱した天才は、周りに同等レベルの人間がいないため、同等もしくは自分以上の天才のドッキに憧れ、尊敬していたが‘‘自分を排除した‘‘と思い込み殺したいほど憎むようになる
セオクはドッキにとってまさに分身、自分の体の一部と言っても過言ではない、全てのものから守り全てを許したい
恋人、娘、家族、に対する愛とは違う唯一無二の歪んだ愛
二人の愛に共通するのは、性愛ではないこと
(性愛:性本能に基づく愛欲や愛情、愛着、肉体的接触を指す)
魂で繋がった愛、いわゆるソウルメイトみたいな感じ?
男と女となると、すぐに性愛にもっていきがちだが、2人のような愛もあるんだなと羨ましくもあった
そんな人には一生かけても出会えるかどうかわからん
ストーリーについて
冒頭からヒロインが、ガンガン殺人を犯していくストーリーで、明快な勧善懲悪ではなく複雑に絡み合った人間関係と、そこから生まれる感情の揺れ動きなどがこのドラマの面白さ
倫理とか道徳とかを問うものではないのよね
セオクはドッキのことを暴れ回るほど憎んでいたけど、最後には命を助けてようとするし
余命いくばくもないドッキは、セオクの罪を背負って死のうとするし
サイコパス同士の復讐ドロドロドラマかと思ったら、献身的で激しい愛の物語だった
普通は、部下の殺人を知ったら、逃げるか通報すると思うが、ドッキは「やれやれ」という表情で淡々と後始末しようとするから常人とは違う
それはドッキ自身も「邪魔者は容赦なく排除する」という同じ思考の持ち主だからやはりお互いを理解しているのだろう
私は勝手に「このドラマは歪んだ愛の物語」と分類したが、実際は何を言いたいお話だったのいまいちわからなかったなぁ
あと、最終回に足だけ出てきた人はもちろん「手術が成功して元気になったドッキ」だよね?
社会的に罪を犯していて表舞台にはもう戻れないだろうから、これからセオクたちと「闇医者」をやっていくのなら2人は一緒にいられるからハッピーエンドということでいいね!そうだよね!そう思おう!
今回気になった人
セオクの舎弟ことヨンジュ

いくら命を助けてもらったからと言って、人殺しの後始末をやるのはおかしい
でも殺人を犯さないようセオクにお願いしているから、普通の感覚の持ち主なのかな?
文句を言いながらもトラブルメーカーのセオクと一緒にいるのは、命の恩人ということだけではなく、彼女のことを一人の人間として慕っているからなんだろうな
リアルにセオクのような人が近くにいたらたまったもんじゃないけど、キャラクターとして憎めないというか何故か惹かれてしまうのがわかる気がした
それは、パク・ウンビンの人柄のイメージと、演技の上手さによるものなのかもしれない
表情を大きく動かさなくても目の奥に宿る怒りや哀しみが画面を通して伝わってくる
素晴らしい
最後に
舞台となる病院や簡易手術室などが無機質な空間で、映像の色調や構図もとても計算されていて、物語の緊張感や不穏な空気を際立たせている
8話という短さで、かなりの密度を詰め込んでいるがテンポもよく伏線が巧妙に張られていて一気に見れた
ただ、医療サスペンスとしては少し物足りなかったかな…ちょっと残念