おすすめ度:80%
師弟関係度:100%
肛門科度:100%
原題:중증외상센터 / The Trauma Code: Heroes on Call (全8話)
型破りな医師が信念を持って現場を変えていく…!2025年の医療ドラマ。
あらすじ・キャスト
大学病院の重症外傷センター。
長らく空いていた教授のポストに着任したペク・ガンヒョク(チュ・ジフンさん)。
彼は病院内の「政治」には興味がなく、ただそこに運ばれてきた患者を救うことに焦点を置いた医師でもあった。
たまたま当直で重症患者に1人で対応しなければならなくなった、肛門科のジェウォン(チョ・ヨンウさん)はガンヒョクの型破りな診断手法に困惑しつつも、その医師としての魅力にひかれるのだったが…。
感想
とてもスピード感ある目が離せない展開と、無駄をそぎ落とした見事な流れで描かれたドラマでした。
適度にコメディもミックスされていて全体的にとても面白かったですし、一気に視聴してしまうタイプの作品です。
若干ブラックジャック的というか、正統派の医者!とはまた違った型破りな天才医師ガンヒョク。
その彼が数々の「病院内での問題」を患者への真摯な態度と医師という職業そのものへの信念を半ば無理やりに突き通すうち、彼に難色を示していた周囲が黙ってついて来る…というような、スカッとするような要素も多くあります。
テンポも素晴らしくて、正直何も悪い点が無い作品でもありました。
文句のつけようがないドラマでしたが、ただ敢えて指摘するならば、あまり”とがった”箇所や深みがなく、全編において余りにもそつがなさすぎるというか…。
あまり人物像の掘り下げも主人公ら含めてありませんし、運び込まれる患者についても同様です。その点が気になったぐらいでしょうか。
いい意味でも悪い意味でも作品としてのアクが無さすぎるので、面白かった!シーズン2希望!という感想しか思い浮かばない…という感じもしなくもないかなとは思います。ちょっと綺麗にまとまり過ぎているというか。
良くも悪くも、何か気付いたり感じたりするには、それなりに特徴がある作品の方が観ていて(ツッコミどころもあったりと)考えが頭に浮かびやすいので…。
そんなこんなで、正直視聴後も今もしばらく考えてもこの作品について「よかった」以外の感想を書くことが無いという感じです。
敢えて気になった部分や設定などが、一切思い浮かびませんでした。
今こうやって書いていても、これ以上書くことがないかもしれない…と思っています。
ただこれは完全な個人的な好みの話になりますが、私はもう少し何かクセがあった方がドラマとして更に面白いものになったかもしれないな、とは思いました。
主人公ガンヒョクを演じられているチュ・ジフンさんが本当にピッタリ!で、役柄に説得力があり、
大変魅力的なキャラとしてドラマの中で生き生きと描かれていたのは印象に強く残りました。
ちなみに、作品に関係ない話をすると、今作で主役のチュ・ジフンさんの部下となる新人医師ジェウォン役にチョ・ヨンウさんが出演されておられます。
このヨンウさんですが、過去にBL系ドラマに出演されていた頃から何となく印象に残っていたので、何だか感慨深いなと思いました…何目線なのか自分でもわかりませんが…。(古参マウントではないです…。)
映像作品には(ある意味では)上も下もないのかもしれませんが、こうやってスターダム(?)の階段を俳優さんが上がっているのが見えると、「良かったな…」的な感情が生まれるのは間違いないと思います。(何目線でしょうか…。)
とにかくドラマとしてはハズレにはならない作品だと思いますので、気になった方は是非視聴してみてください。
ゆるいネタバレありの感想
訳あり医局の重症外来センターの教授の席。この度、実力を買われてやってきた、天才医師のガンヒョク。
彼は病院内の政治事にも興味がなく、ただ運び込まれた重症患者の命を救うというその信念を持って働く若い医師でした。
しかし彼の仕事の進め方はお世辞でも”正統派”とは決して言えるものではありません。時には荒々しく、時にはルール違反をしても…それがガンヒョクのスタイルの様です。そんな勝手な彼を、お堅い大学病院の教授陣は眉をひそめるのでした。彼を排除しようとする動きすら着任早々からあるのでした。
肛門科の医師として働くジェウォンは、首席で入学したりとエリート街道を約束されている者の1人。
そんなある日、重症患者を1人で対応しなければならなくなり、ジェウォンはパニックに。
彼は肛門科の医師であり、重症外来センターに運ばれてくる患者は多種多様。即座に医師としての判断を迫られる厳しい現場です。
そんな時、顔色も変えず即座に対応したのがこの新しく着任したガンヒョクでした。
彼の”華麗”な手さばきと、素早く全く無駄のない処置にジェウォンは呆気に取られてしまうのでした。
弟子として
新しく教授になったガンヒョクでしたが、彼の元で働く医師が不足していました。
ガンヒョクはあのジェウォンをスカウトします。自分の元でそして肛門科から重症外来センターへの移動を進めるのでした。
もちろんこれにはひと悶着あるわけですが、ガンヒョクを側で見ていたジェウォンは彼の中に眠っていた「医師像」が次第にハッキリと浮かび上がってくるのを感じたはずです。
医師とは?医師の役割とは?自分ができることとは?そのような疑問と既に自分の中にある答えが、言葉にせずとも見えてきたジェウォンなのでした。
気になった点
最初は”面倒な”重症外来センターを避けていた人々や、社内政治的に疎ましく思っていた人々が、ガンヒョクの掟破りの突破力で患者たちを救う様子に少しずつ人々の考えが変化していきます。
今作の最も良かった点として、医療モノにありがちな強めの「お涙頂戴ストーリー」が全面に押し出されていない点かと思います。
ガンヒョクとジェウォンの師弟関係も”熱く”なりすぎず、描きすぎず良かった。
あくまでも彼らの「仕事」として、日常の中の小さな気づきややりがい、行動の変化がスピード感ある中でも上手く散りばめられているのは素晴らしいなと感じました。
とにかく演出にクドさがなかったので、人を救った…感動!!!のようなよくある感情を煽ってくるものではなく、あくまでもこれが「医師の仕事である」という部分が強調されていて私は特にいいなと思いました。
ただ逆を言うと、視聴後にこのスピード感あるテキパキした演出が(良くもあったものの)ちょっとサラッとしている面が大きすぎるのもあって、あまりエピソードとして何か心に訴えかけるものが残らなかったかなあとは思いました。
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ということで、結構前に視聴したもののそれほど書くことがない感じだったので(すみません)、感想を書きかけたものの途中で結構な時間止まってしまっていたのですが…。
た総合的には楽しいドラマでした。万人受けしやすいタイプの作品だと思います。気になった方は全8話というサイズでもあるので観てみてはいかがでしょうか。