韓国ドラマ ごめん、愛してる (感想)

ラブストーリー

おすすめ度:70%
出生の秘密度:100%
母親の愛情を求めて度:100%
原題:미안하다, 사랑한다 / I'm Sorry, I Love You (全16話)

ごめん愛してる感想あらすじネタバレ レビュー

海外に養子に出された男性が、苦難の末にたどり着いた答えとは…。
2004年のロマンスドラマ。

あらすじ・キャスト

子供の頃に韓国からオーストラリアへ養子として渡ったムヒョクソ・ジソプさん)は、荒れた生活を送りながらも彼女と楽しく暮らしていた。
しかしある日トラブルの末、頭部に銃弾を受けてしまう。
一方、同じ頃に芸能人ユン(チョン・ギョンホさん)のスタイリストとしてオーストラリアに同行していたウンチェ(イム・スジョンさん)は、ひょんなことからムヒョクに助けられ…。

感想

歴史探訪
以前からチラチラ気になり続けていた、名作と呼ばれる今作を観てみました。
2004年作品でかなり昔のドラマですが、当時は社会現象(?)にもなったレベルで多くのドラマ廃人を生み出したそうです。
ちなみに日本でも2017年に今作をリメイクしたドラマが放送されたそうですが、私は未視聴です。
視聴前から廃人になったらどうしようかと、思わずドキドキしてしまいました。
総合的には古いドラマにありがちなとんでもねえ偶然連発や、「そうはならないでしょ…」的な雑なシーンの繋がりをツッコミつつ、なるほどな~と思えた作品で、観てよかったです。
ただ、私はこのドラマにハマることは一切できませんでしたので廃人回避でしたが、これでもかというダメ押しが的なものが続くロミオとジュリエットを彷彿させるストーリーで、これぞザ・ドラマ!!という視聴体験ができて良かったです。
とりあえずですが、エクストリームで劇的なラブストーリーを求めている方にはピッタリな作品かもしれません。
ただ正直、ドラマとしてストーリーもキャラ設定も衣装もクセが想像以上に強すぎるというか、胃もたれ的なものが続く感じの作品なので、好き嫌いが別れる作品かなとは個人的に感じました。

主人公2人を演じておられるのがソ・ジソプさんとイム・スジョンさんです。
個人的にはスジョンさんの当時の姿が20年以上前なのにあまり今と変わらない可愛らしさのままなのでそこがまず1番にビックリしました。
加えてチョン・ギョンホさんが出演されていたのですが、今作に出演しているのを全く知らなかったので(すみません)とりあえずそれにもビックリしました。
他にも今も活躍中の俳優さんらもいて、人に歴史アリ!という感じで良かったです。

まずはオープニング印象ですが、何かとんでもねえ事が始まるぜ!!というニオイがプンプンする、ギターとの切ねえメロディに乗せた女性ボーカリスト曲から物語は始まります。
歌詞が存在するのかしないのか謎の♪ファア~~~♪という物悲しげな歌声が流れるオープニング曲…。
この曲を聴いた途端、そういや『バリでの出来事』でもこんな感じの曲が流れていて同じような感想を書いたような…と回顧していたのですが、バリでの出来事も何と同じ2004年作品なので、この頃のドラマの流行というか、オープニング曲あるあるみたいな感じなんでしょうか?
確かにバリでも今作でも、実際”とんでもねえ事”が勃発しまくっていましたが…。
とりあえず、観る者のテンションを無駄に上げる効果的な曲だなと思った次第です。

ゆるいネタバレありのあらすじ感想

ごめん愛してる 感想 あらすじ ネタバレ 最終回 レビュー

ムヒョクはオーストラリアで根無し草のような、荒れた生活をしていました。
彼は韓国人として生まれましたが、幼い頃にこの海外の地へ養子縁組として育ての親と縁を結んで生活を送っていました。しかし、彼にはもうそんな家族も今はいない様子。
ムヒョクは顔も知らない自分を「捨てた」韓国にいるはずの実の母親に対して、半ば愛情以上の憧れのような、何か自分の神聖な”すがる”対象のような、そんな強い愛を求める感情を強く胸に抱いているようにも見えました。
ある日ムヒョクは、ガールフレンドのジヨンが結婚すると知りショックを受けます。
ジヨンもムヒョクと同じような境遇だったわけですが、彼女はお金持ちの相手(マフィア)を見つけたようです。
彼女も生きるためなのでしょう、あっけらかんとムヒョクに別れを告げますが、ムヒョクはここで愛する者からの裏切りに絶望するワケです。
そして結婚式の日。
ムヒョクさんは、ヤケクソ丸出しの行動でジヨンを連れ出したり、結局式場に戻ってきたりと大忙し。この時点で視聴していて既にアレだな…と若干困惑しつつ。
しかし本当の”アレ”な悲劇は第1話で発生します。
そう、ジヨンの結婚式当日。
皆さん!!悪人はここにいます!!と言わんとばかりの額に目印がついたスナイパーがまさにそこに。
悪人は結構わかりやすい位置から、花嫁ジヨン&花婿を狙撃!
割れるシャンパングラス!謎スローモーション!周囲は恐怖に包まれます。
しかしここで鉄の意思を持った男が1人、ジヨンを救いに来るのでした。
そう、あのムヒョクさんです…!!
しかしムヒョクがジヨンを庇ったまさにその時、銃弾が命中し彼は倒れてしまうことに。
緊急手術の末に何とか一命を取り留めたムヒョクさんですが、なんということでしょうか…頭部に銃弾が残ったままとなりあまり長くは生きられないという状態に。
これはYABAI予感。
手術後、キレやすくなったかと思うと道端の鳩を長時間見つめてしまうなど性格にも影響が出てしまうムヒョクさんでしたが、キレやすいのは手術前からそうなのでは?と思いつつ…。
そんなムヒョクに、ジヨンはどこから工面したのか謎の大金と航空券を渡して韓国に帰れと彼を促します。
「またアイツらがムヒョクを狙うから韓国に逃げろ!」という、いかにもな理由でしたが、よく考えるまでもなく、むしろジヨンの方こそが最初のターゲットだったことや、勝手に持ち出したであろうお金の出どころ含めて”アイツら”にも夫にも狙われるのでは?と疑問に思いつつ…。
このあたり私は当初、ムヒョクが結婚後も性格的にジヨンにしつこく絡んで来そうなので、厄介払いか?と邪推してしまいましたが…。

実母は誰か
韓国に戻ったムヒョクは、とりあえず母親探しをすることに。
そして驚くほどトントン拍子で、簡単にムヒョクは生き別れだった双子の姉と再会を果たします。まさにロードオブザリング
その姉を助けている因果応報爺から、ムヒョクと姉の実母は大御所スター的存在のドゥリであることをいとも簡単に告げられます。
実母を探す点がまずドラマの1つの山場かなと私は推測していたのですが、ありえないスピード感と正解まで最短ルートでたどり着いてしまう展開にはとにかくスゴイ!としか感想がありませんでした。

再会と復讐
実母の家を確認している際、なんとここでウンチェと再会。
ウンチェとムヒョクさんは、オーストラリアで色々とトラブルがあり彼女を(一応)助けたという繋がりが過去にあったのでした。世界は狭い。
ウンチェは「アジョシ~!久しぶり!」という感じで偶然の再会を気楽に喜びつつも、一方で私のことが好きで彼は追ってきたのかも?!とマジ顔で悩んでいたので視聴していて困惑。住所交換とか実は2人はしてたんですかね?
そんなウンチェさんの独りよがりな悩みも知らず、ムヒョクさんは実母&愛され1人息子ユンの豪華で幸せそうな暮らしに激怒。
その怒りが頭の銃弾のせいで制御できなかったのか、実母の家の門にムヒョクさんはウンチェの目の前で結構な勢いで放尿(もちろん演技です)していたので視聴していて震え上がりました。怖すぎ。
ムヒョクはそんな”子を捨てた”ことも忘れているような能天気な母に復讐すべく、まずは息子であるユンに目を付けて急接近。
とりあえずユンのマネージャーの仕事をムヒョクは簡単に手に入れていたのですが、ムヒョクは韓国語苦手キャラみたいなシーンがまあまあ存在していたのにも関わらず、韓国での運転免許(国際免許証でしょうか…)とか住む家の契約とかマネージャー業務とか普通に色々と大丈夫なのか?と疑問に思いつつ。

ごめん、愛してる感想あらすじネタバレ

恋愛脳の人々
今回も見事簡単に歌手ユンのマネージャーになったムヒョクさん。
とりあえず、仕事よりも恋愛のことで頭がいっぱいのユンを攻撃するため、ユンが病的に恋する女優ミンジュとの仲に目をつけます。
ユンの幼馴染でありユンのスタイリストとして働くウンチェとユンの親密さをマスコミにリークしてイメージダウンを図ったり。
はたまた女優ミンジュに対しては、ムヒョク自ら付け髭とサングラスでクセの強すぎる別人に成りすまし、やたら大胆に行動するパッションタイプの謎の男(出会いはいつもエレベーター)として体当たり演技を行ったりと、大忙しのムヒョクさん。
マネージャー業は拘束時間も長くて忙しい仕事のイメージですが、ムヒョクはちゃんと仕事をしてるんでしょうか?謎に包まれていました。
ちなみにムヒョクは謎の男タイムが終了した後、自分の部屋の中で壁という物理を超越したどこか遠くをレーザー光線のようにシャープに見つめながら、付け髭をいつもピッと素早く剥がすシーンが何度かあるのですが、個人的にはそのシーンに割とハマってしまいました。
とにかくユンもミンジュもウンチェも終始恋愛のことしか考えていない状態で、その感情をいつも利用されたり、自分で自分を振り回して疲弊している様子だったので何だか大変だなあと思いつつ。

ムヒョクとユンの命
このまま膠着状態なのかと思っていたら、新たに追加で問題がブチ上がります。
ユンの心臓の問題、つまりムヒョクさんの余命問題とユンの心臓移植必要問題の同時進行!
ユンを溺愛する母親はムヒョクの余命問題を知り、恐ろしいことに心臓狙いであからさまに彼への態度を変えるのでした。
これにはムヒョクも怒りと失望で激しくキレ散らかします。まあ、いつものムヒョクさんなのですが…。
加えて、正直順調とは言えない斜め上の復讐計画実行中のムヒョクさんは、自分がウンチェのことが好きだということも気づくのですが、一方でユンもまたウンチェが好きかも?と半分確信。
ただウンチェは元々ずっとユン命だったのですが、ムヒョクの流し目にも気持ちを揺さぶられているという、どっちつかずの状態です。
いつもの自暴自棄のようなムヒョクさんは、ユンの看病に明け暮れていたウンチェに嫉妬心もあったのでしょう、彼女を無理矢理連れ出し
「飯食うか、俺と寝るか!?」「飯食うか、俺と死ぬか?!」と怒鳴り声で微妙な2択を連続攻撃で迫ってくるので、怖すぎて私は震えてしまいました。
ここは恐らく本来は盛り上がるべき強烈なシーンかもしれませんが…。すみません。
ただ、結局その後にムヒョクさんの選択肢としては妥当である「飯を食う」ことにウンチェはなることに。
飲食店ではムヒョクはわざわざ黒豆で白いお皿にウンチェ宛にメッセージを書いて見せ、一見微笑ましいシーンのようになっていたのですが、なんだかDV後に態度急変で優しくするような男を彷彿とさせ、個人的には若干違う目線で見てしまいました。ムヒョクさんすみません。
ただムヒョクの中では、ユンに自分の心臓を渡して、母親に二重の仕返しをしようと既に計画変更を決めたようでした。

ムヒョクとウンチェの愛
ウンチェはムヒョクの余命がわずかな事を知り、彼の言葉が嘘ではなかったとショックを受けます。
そしてやっぱりムヒョクが好きなんだとここで痛感。ウンチェさん、そもそもユンとムヒョクの間で揺れすぎ。
一方、ムヒョクも神様に何度も「彼女で残された時間を満たしてくれるなら…」とお願いしながらも、彼女の想いを知りながらから身を引こうと決意。
一体どうしてそう事態を面倒にするのでしょうか?
「飯or俺と寝るか」とキレていた気迫を思い出して欲しいものです。
更によりにもよってミンジュに「ここから遠い場所に連れていってくれ」と頼み、ウンチェの前から姿を消します。
そこはオーストラリアに戻るのが一番手っ取り早い”遠い場所”じゃないのか?と疑問に思いつつ…。
とりあえずユンもムヒョクも病状でフラフラになりながらも、隙あらば寒空の下で無暗にウロウロしたりするのは身体のためにもやめたほうがいいと思います。

仰天の真実
とりあえず明かされた真実が、なんとユンはドゥリの実の子ではなかったという話。
これには「いや、2話前にそれを明かす特大チャンスがあったよね?!」と、視聴していてムヒョクさん並みにキレそうになりました。
まさにムヒョクがユンに俺とお前は兄弟なんだ!と、真相を明かしたシーンが少し前にあったのです。(ユンにはすぐに明かさなかったという面倒くせえ言い訳があったのですが、とはいえ心臓移植の話は知っていたので2話前に明かしても全く不自然ではないと思います)
更にダメ押しホームランのように続けてウンチェ父から「ドゥリは双子を捨ててない、俺が捨てた(知ってた)」という衝撃告白があり、ムヒョクさんは目の前が真っ白に。全ての元凶はこの善良そうに装っていたジジイだったのです!
ウンチェを巻き込んだスキャンダルリーク、パッション紳士への変装…、決して攻撃力が高いとは思えなかったその謎復讐の数々は、単なる勘違いの末の無駄骨だったのです。
そもそも因果応報爺も色々調べていた割に、ドゥリとユンの親子関係を確認していないのはかなり疑問でした。
というか、そもそもドゥリが当初双子を未婚の時に妊娠したのはキャリアの邪魔になるから云々だったと説明されていました。
ユンを養子に迎えたことは明らかにせず、実の子として世間に発表していると思われますので、ではそれについては仕事に支障や世間の噂になることはなかったのでしょうか?
父親不在の当初の妊娠とユンの時とは、一体全体何の状況と条件が異なるのか、かなり謎でした。
というか、ムヒョクもその点は不自然に思わなかったんですかね?このドラマ謎しか残りません。

そして悲劇へ
全てを知ったムヒョクとウンチェ…。そして彼の命のリミットは近づいてくるのでした。
普段あれだけ車を乗り回していたにもかかわらず、何故かこの日は昔の装いをして、バイクで走りだしてしまうムヒョクさん。一体なぜ…?
そして…
-BAD END-
追加攻撃の(?)エンディングですが、第1話を彷彿させすぎる風貌で登場したウンチェが、墓に眠るムヒョクを追う必要がよくわかりませんでした。
何故、彼女は直後ではなく時間が経過してから、後追いしてしまうのでしょうか…。
その辺の彼女の心情が謎すぎて、単にここも最終回の最後の最後でダメ押し泣かせにくるビックリシーンをぶち込んでいて、とにかくスゴイなと驚愕しました。
というか何故オーストラリアにムヒョクのお墓があるのですかね…?

さらに感想

ということで、とりあえずムヒョクさんは母親の愛にひどく飢えており、その無償の母の愛のようなものをガールフレンドとなる女性に自然に求めていたのかもしれません。
ですが、それでも度々裏切られてしまいます。
彼が度々キレ散らかして、暴れまくるシーンが散見されましたが、もしかすると幼少期の駄々をこねるキッズ的な行動だったのかもしれません。
ただ個人的には、ムヒョクさんはデフォルトで怒鳴りすぎだろ…と思いました。
カウント不可能n回以上のすれ違いの末に、やっとウンチェとの真実の愛に触れたものの、残念ながら彼の命は終わってしまいます。
想像以上に悲劇すぎる内容で驚いてしまいましたが、古いドラマはやっぱり圧がすげえな…と感服しました。
設定自体が妙に雑な部分も多いですが、お涙頂戴ストーリーと熱いテーマ曲でガンガンに押してくる…、そんな今ではあまり見かけないストロングスタイル。
そんな強いなりふり構わない魅力が古い作品には多くあると思います。
既に視聴された方も多い作品かもしれませんが、ある種刺激的な作品で面白かったです。
気になった方は是非視聴してみてください。

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