おすすめ度:40%
プロローグ度:100%
ギフンの挑戦度:100%
原題:오징어 게임 / Squid Game Season 2 (シーズン2 全7話)
命をかけたゲームに優勝したギフン、しかし彼にはゲームを止めるという計画が…。2024年のデスゲーム・サイバイバルドラマ。
あらすじ・キャスト
地獄のようなゲームを勝ち抜き、見事大金を手に入れたギフン(イ・ジョンジェさん)。
しかし彼は身を隠して、再びあのゲームに参加しようと静かに計画するのだった。
だが彼をゲームに誘った謎の男(コン・ユさん)の足取りはつかめないまま。
ある日、行方不明の兄を探していたドシク(ウィ・ハジュンさん)はギフンと接触し、彼と共にイカゲームに潜入しようとするが…。
感想
申し訳ないですが、私はかなりガッカリしたというか…。
率直に言うとストーリーの動きが遅すぎてつまらないと思ってしまい(あくまでも個人の感想です)、配信後すぐ見始めたものの、4話の途中で視聴を中断してまあまあ放置していました。
その後また視聴をして、今これを書いていますが最初に持った印象の変化はありません。
それと未視聴の方にはいきなりネタバレで申し訳ないですが、シーズン2では完結しませんでした。
「こんなダラダラしたペースで終わるのか?」と観ていて不穏な気持ちでいたら、やっぱり終わらないという絶望。
正直なところシーズン3が配信してからこの2を観た方が正解な気もします。というのも、この2は完全に次の3のための序章にしかなっていないので…。
とりあえずシーズン2の大きな不満点としては、なぜ?が圧倒的に語られないこと。答えは次の3で!!とまるでCMでじらされるかのごとくの内容でした。
そもそもほぼ新キャラばかりの人物の動機などがあまり明かされず、突然色々スタートします。
もちろんある程度は語られますが、「なるほど」と思うような点が一切ないことです。妙な説明会話で全て終わり。特にミステリアスさを狙っている訳でもなさそうでしたし…。
その結果、1から続投のギフンにさえ無関心になってしまいました。
あのギフンの”熱さ”はどこに消え失せたのか…。
そもそも、ギフンが何故再びイカゲームに参加しなければいけないのか、という強い理由もいまいち伝わりませんでした。
彼の”目的達成”のためには、反撃するための資金(ほぼ手付かずの賞金)が十分ありますので、そうなると他の手法もあるとは思います。
それを消去法で潰すだけの根拠が何ら示されていないまま、参戦そして「ゲームスタート」になったのは、ちょっとどうかなという印象です。
とにかくシーズン1とも離れていてまるで別枠というか、一応繋がってはいますが、別に1を知らなくても見れるような工夫があったので2から視聴をするぞ!という方でもOKな間口の広さは取ってある作品です。
その点はある意味フレッシュなスタートとしては良いかなと思いましたが、それならば他に描くべき背景があったのでは、と素人の上から目線でついつい思ってしまうわけです。
とにかく(?)印象としては、シーズン1とシーズン2+3というグループ構成の感じになりそうです。(だから何だという話ですが)
つまり、2は1のような人の欲望の恐怖とキャラへの同情、ついグッとくるような感情の揺さぶり、そのような過去作にあった長所はこの2では皆無。本当に皆無でした。
かといって2しかない強みも特にありませんでした。あるとすると、出演者の異様な豪華さでしょうか?
そんなきらびやかなシーズン2の全7話でしたが、フーン…という感じでアッサリ終わってしまって、「これで終わり?」と呆気にとられるというか…。
とにかく、”繋ぎ”感しかない。なのであまり感想というものも無い感じです。
話が発展しない、序章の説明だけのストーリーなので…。
とにかくシーズン3こそが、いよいよ本題になると思いますので内容としては今のところ何とも言えねえとは思いました。
こんな気持ちにさせるなら、いっそ3と共に配信して欲しかった。
ゆるいネタバレありの感想


あのイカゲームから3年。
数々の仲間の命と引き換えに、賞金として血の匂いが染み付いた大金を得たギフン。
そんな彼は今、豪華な暮らしをするわけもなく、廃業したモーテルにひっそりと身を隠し、静かに生きていたのでした。
しかし彼には強い怒りに似た執念が…。
あのイカゲームを「終わらせる」必要がある、そのことだけ。
そのためには再びあのイカゲームに参加し、全てをぶっ潰す必要があるのでした。
ただ再び参加しようにも、そう簡単には行きません。
駅で勝負をしかけてくるあの謎のスーツ男だけが、ゲームに連れて行ってくれるきっかけとなる人物です。
ギフンは頼りになるのかならないのかわからない男たちに探偵を依頼し、あのスーツ男を来る日も来る日も探していたのでした。
そして、ついに見つけるのです。あの男を。駅で。
一方のドシク。
彼は消えた兄を探すという大きな目的を決して諦めてはいません。
前回はイカゲームに上手く潜入することができましたが、命を落としそうになりました。
信頼できる小舟の船長と共に手当たり次第に怪しい島を詮索し、あの恐ろしいゲームの舞台となる場所を密かに探し回っていたのでした。
そんなドシクは偶然あのギフンを見かけます。ピンときた彼は、ギフンに接触。
予感は的中、ギフンの目的を知り協力することに。
こうして2人は、内部から・外部からと二手に分かれて”イカゲーム”を崩壊させる計画を実行することに。
ギフンは再び「参加者」としてあの数々の恐怖ゲームに立ち向かう訳ですが、たとえルールを知っていたとしても、そこにはあの悪夢の惨状が目の前で繰り広げられるのでした。
気になった点
申し訳ないですが、以下ネガティブ気味なものになります。
・人物描写
シーズン2では、また違った顔ぶれが続々と登場しています。
イカゲームの参加者といえば、金銭目的での参加者がほとんどです。
では彼らが歩んできた人生はどんなものなのか?そしてどのような考え方をする人物なのか?
それを踏まえてのゲーム内での”ドラマ”が、このドラマの見所の1つだったかと思います。それがあってこそ、視聴者はそれぞれのキャラを自然と”推し”たりしていたんだと思います。
しかしこの2では興味深いキャラは複数いたものの、彼らの過去は会話で軽めに語られるだけ。1でもそうでしたが、もっと彼らの人となりを「知る」細かな描写がありました。
もしかして3では、より深く明かされるのかもしれませんが、それではあまりにも遅いですよね?ゲームはもうスタートしている訳で。
そんなこんなで”彼ら”に興味を持つ前にゲーム開始、そして誰かは当然脱落します。
しかし彼らが消えていっても、特に何も特に感じることもなく過ぎていってしまいました。まるで漫画をパラパラ見る感じで…。なんだか残念でした。
・開始2話
序盤にコン・ユさん演じる謎の男探しにかなりの時間を割いていましたが、正直本当に飽きてしまいました。
個人的に好きなチョン・ソクホさんがおとぼけヤクザ役で出演されていたので、あまり悪く言いたくないのですが、この長すぎる前フリは何だったのかと謎でした。
ギフンとコン・ユ先輩演じる男が対峙して、緊張感高まるロシアンルーレットを行っていたシーンは素晴らしい演技のやり取りだなとシーンに強くひきつけられました。
ですが、そもそもこの謎の男についてはあまり情報が与えられていません。
彼が金に群がる人々をゴミのように考えていたことは伝わりましたが、彼の抱えている自己矛盾の闇を垣間見ただけで、謎が残ります。
ギフンはこの男の一体何を知っていたというのでしょうか?
ギフンは大して知っていないはずですが、そのような雰囲気「だけ」になっていたようで、その点も浅く見えて非常に残念でした。
コンユ先輩の見せ場だな、と若干お膳立てされて用意された引き際の山場のように思えてしまった次第です。残念。(コン・ユさんが悪いという訳ではありません、あくまでもキャラクターとストーリーについての私の感想・意見です)
・ギフン
シーズン1から引き続き、ギフンが主人公ですが、2での彼はかなりの精彩を欠いたものでした。
彼が持っていた、特有の情熱のようなものが感じられる場が見れなかった。
もちろん彼が2回目のイカゲームに参加するにあたり、前回とは全くマインドが違うのは理解できますし、地獄を見た後では人格変わってしまうのは当然です。
とはいえ、とりあえずゲームに参加し、経験者として新規ゲーム者に「俺の言うことを聞け!」的に熱弁しても、それは無理筋じゃないのか…と思ってしまいました。
いや、それぐらいしかあの混乱した場では発言できないのはわかりますが…。
根本的にこのシーズン2では、ギフンの再びゲームに参加した「その後の無計画さ」というのが非常に気になりました。
3年間謎の男を探し続けていたのは2話も割いてあったのでそれなりに強く伝わりましたが、肝心の計画が真っ白すぎたような。
どうやってゲームそのものを崩壊させるのか?
どうやって金がとにかく欲しい参加者の気持ちを変えるのか?
どうやって内部の味方を増やすのか?
このあたりが根本的に示されていないので、あまりにも無鉄砲。
あのお金ももう少し有効活用するのが最も手っ取り早いと思うのですが。
参加すれば後は流れでどうにかなる的な安易な印象を受けて、ギフンに正直失望しました。
・イカゲーム
これはシーズン2の宿命で、ある程度もうしょうがないと思いますが、命を懸けるレトロゲームに新鮮味が既にゼロになっているので、観ていてドラマ性をその中に全く感じなかった点です。
シーズン1では子供向けだったレトロな遊びが、瞬く間に残虐性のある血みどろのゲームになるというショックさがありました。
しかしもう何度も見た後ですので、1と同様の代り映えのしないキッチュな雰囲気もそのままで少々ガッカリしました。
セットの雰囲気を変えてくるかなと私は期待したのですが…。これがイカゲームの世界観だ!というのは承知の上ですが、見た目にもちょっとつまらないかな…。
また既に書きましたが、キャラに感情移入ができていないので、誰が命を落としてしまっても「これで出演終わりか…」と、妙に現実的な出演者の枠を考えてしまう始末でした。
・ゲームマスター参戦
今作での一番の驚きは、ゲームマスター(イ・ビョンホンさん)の参加になります。
一体どのような意図で彼が今回参加しているのか、それはまだ明かされませんが、シーズン2の最後では、ついにこの001ことゲームマスターの真の恐ろしさが表面化。
とはいえ、結局それは001がこのマスターな時点で予測できたことでしたので「フーン…」としか思わず、あとはギフンがいつ彼の正体・本性を知ってショックを受けるかどうかでしょうか。
とはいえ、正体を知ってショックを受けるほどの絆を001とギフンは築いてきたかすらあまり感じられませんでしたが…。
・トランスジェンダー女性120番の考察
パク・ソンフンさん演じるこの女性120番ですが、今作で個人的に最も気になったキャラでした。
120番が夜に老いた149番(クムジャ)と妊娠している222番と共にトイレに行った時、そこで222番が妊婦であるとクムジャから聞くシーンがありました。
私はその時の彼女の態度から120番は何かしらショックを受けているような気がして、とても興味深いなと思いました。
これはあくまでも私の勝手な考察ですが、彼は女性ではありますが、まだ女性同士ならば本来すぐに気づくであろう事柄に気付くことができない部分を120番が痛感して、もしかしたら120番はトランスジェンダーとしてショックを受けたのではないかなとその表情とシーンから感じました。
このような些細なキャラの繊細な部分を、今作では心底もう少し見せて欲しかったです。
このシーンで私は120番に非常に興味を持ったのですが、以降も大してキャラクターの人となりを知るシーンがあまりにも少なくて、なんだかなあと思いました。
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ということで、正直クライマックスに向けたプロローグ丸出しで、何ら動きもドラマ性もなく、かなり期待外れだったシーズン2でした。とにかく次のシーズン3待ちというところでしょうか。
イカゲーム3は今年2025年に早くも配信されるとのことなので、とりあえず現時点で不明な部分がしっかり明かされることを期待しています。
シーズン1の感想: