おすすめ度:75%
きょうだい度:100%
アパート度:100%
原題:조립식 가족 / Family by Choice (全16話)
複雑な親との関係を持つ3人が家族になり…?2024年のヒューマン・ロマンスドラマ。
あらすじ・キャスト
複雑な家族関係を持つ「3人の子供たち」…、サナ(ファン・イニョプさん)、ジュウォン(チョン・チェヨンさん)、そしてヘジュン(ペ・ヒョンソンさん)が、あるきっかけで家族となり成長する。
しかしそんなある日、ヘジュンの本当の父親が彼に会いにくるのだった。微妙なバランスで保たれていた家族関係が揺らぎはじめ…。
感想
良かったです。
ただちょっとキャラの心情の変化が上手く描き切れていなかった様に感じたので、特に後半の恋愛パートに関しては、個人的に軽い拒否感というか視聴していて違和感はありはました。
ですが総合的なストーリーラインについては、流れも速く良いドラマだったなと思いました。
親が異なる3人の子供が幼少期に出会い、そして同じ"家族”として育ちます。
彼らに血の繋がりはありませんが、そんな血縁を越えた愛ある関係が描かれています。
とはいえ、完全なファミリードラマという形でもなく、その子供3人たちの恋愛模様などが多くありますので、余計に視聴しやすくはなっています。
全16話の韓国ドラマとしては定番のフルサイズでしたが、いつも私は「もっとカットできるのでは…」と思いがちなのですが、今作については久し振りに長さが足りねえ…とは感じました。
子供3人のお話なので実質(?)主人公3人、彼らが子供から大人までの長期に渡って描かれるので、ちょっと時間が足りなかったようでした。
今作は中国ドラマ『家族の名において』のリメイクということですが、私は未視聴ですのであくまでも韓国ドラマ版の感想となります。
ただオリジナルの中国ドラマはもっと長いドラマらしいので、今回韓国版で感じた尺不足については、実際そのあたりも関係しているのかもしれません。
ドラマの山場として色々な側面が描かれるのですが、その多くが過程をすっ飛ばしてしまった印象は否めないと思いました。
とはいえ、その数々ある山場要素のおかげで、ドラマ自体は間延びせず展開が早く進みましたので、観ていて中だるみするようなことは一切ありませんでした。
ゆるいネタバレありの感想



まだ子供だったジュウォンと父は、引っ越し先のアパートでサナに出会います。
ジュウォンには母はおらず、ジュウォンの父は飲食店を営んでいます。
きょうだいがいないジュウォンは、上の階に住むサナが気になってしょうがありません。
そんなサナの家庭ですが、問題がありました。
サナの妹が亡くなってから、精神的に不安定な母親に幼いサナと警察官のサナの父親は振り回されていたのです。
そんなある日、サナの母親は全てを捨てるように家族を置いて出て行ってしまいます。サナはショックを受けるのでした。
一方の幼いヘジュンもジュウォン父と母がお見合いした縁がきっかけで、ジュウォンと顔みしりに。
しかしある日突然ヘジュンもまた、母に"捨てられ”てしまうのでした。
こうしてジュウォンの家にヘジュンとサナが暮らし始めます。(居住としては、サナとサナ父はそのままアパートの上の階に住んでいますが)
ヘジュンの父は実の娘、そして似た境遇の2人の男の子を息子として分け隔てなく育てることにしたのです。
10代の3人
高校生になった3人。
サナは成績優秀で冷静沈着な学生として、女子の人気者。ヘジュンはスポーツ万能で明るく、女子の人気者。
そんな人気者の兄に挟まれ、どこか不満な気持ちでいるのはジュウォン。
しかし特にサナは女性と交際する気は全く無い様子。
兄たちと違ってモテないと思っていたジュウォンでしたが、ラブレターをもらって喜ぶ妹に対してなんだか複雑な表情を浮かべるサナなのでした。
本当の親
近所の人や同級生からの「家族関係の複雑さ」について、心無い言葉をできるだけ気にせずやり過ごしてきた3人。
彼らに血の繋がりはありません、だけど3人はちゃんと兄妹として、家族として今までずっと暮らしてきたのですから。
しかしそんな彼らの関係に小さなヒビが入りはじめます。
実の父や母の登場です。
心のどこかで常に欲していた本当の血の繋がりのある親、その愛情…。
しかしそんな彼らの気持ちとは裏腹に、理想と現実は異なります。実の親とはいえ、再びまた彼らは心を傷つけられたり、親たちの態度に戸惑ったりするのでした。
それによって、3人はよりお互いが家族ではなく実は他人なのだと実感したり、逆に余計に繋がりを意識したりと、彼らは悩みます。
そしてそんな子供たちを見て、大人達もまた傷つくのでした。
気になった点
サナとジュウォンの恋愛
最も個人的に”居心地が悪い”気がしたのが、この2人の恋愛模様。
序盤すぐに「この3人の中で恋愛になるんだろうな…」とぼんやりと心づもりをしていたものの、それでも若干のダメージ(?)というか、うーん…と思うものが正直なところ残りました。
というのも、とにかく今作の「家族」のチームっぽさの描き方があまりにも良かったからです。
泣かされたところも多かったのもあって、サナの恋愛モードへの移行がちょっと不穏な気がしました。(個人的な感想です)
血縁関係だけが家族ではない!的な良さが存分に描かれていましたし、子供の頃から完全に”兄妹”だった2人。
しかしここで堂々と恋愛宣言されてしまうと「私たちは家族!!!って言ってたクセに…やっぱり他人じゃねーか」的に思えもしました。
同時にいつからサナはジュウォンのことを異性として見ていたのか…という、妙な気持ちにも正直なりました。
一応ギリギリ(?)サナだけはアパートの別の階に住んでいたので、物理的な隔たりはあるにしても、フィクションのドラマといえやはり何となく妙な気持ちになったのは否めませんでした。
一方のジュウォンが一旦「サナはお兄ちゃんだ」とキッパリ拒否したものの、想像以上にその後に速攻で恋愛モードに突入していたのも一因だと思います。心変わり早い。
ここは、サナとヒステリックなサナ母の平行線のもめ事よりも、ジュウォンの心情の変化にもっと時間を割いて欲しかったと思った次第です。
後半は尺がなさすぎたのか、このようなキャラの感情描写があまりにも素早く流れていったので、どうしても禁断の愛的な邪念が観ていて消し去ることができませんでした。もしかするとこれに関しては、敢えてあまり時間を割かなかったのかもしれませんが、ちょっと損な流れになったように思えます。
なぜなら最も今作で、家族は血縁だけのものではない、というテーマにともすれば矛盾にもなりますので、やや曖昧に流していたので気になった点でした。
ということで、総合的には観やすくて良いドラマだったなと思います。
父親2人を演じるチェ・ウォニョンさんとチェ・ムソンさん…私は特にムソンさんの演技が大好きなのですが、お2人とも存在感と役柄に合っていてあって良かったなと思いました。
ただムソンさんが演じるサナ父ですが、正直なところもっと子供だったサナのためにできることはかなりあったような気がしましたが…。(キャラにちょっと不満)
色々他にもありますが、とりあえず気になった方は機会があればぜひ観てみてください。