おすすめ度:47%
同級生度:100%
ラブレター度:100%
原題:우연일까? / Serendipity's Embrace (全8話)
10年ぶりに再開した高校の同級生だった2人は…。2024年のラブコメ。
あらすじ・キャスト
エリートとして歩んできたフヨン(チェ・ジョンヒョプさん)は、10年ぶりに韓国に仕事で戻ってくる。
偶然、カフェで向かいに座ったのは高校の同級生ホンジュ(キム・ソヒョンさん)だった。
ホンジュはフヨンに気付いていない様子だったが、彼は彼女のことを強く思い出し…。
感想
ぬるめの温度設定
全8話の短い構成のドラマですが、散らばった設定の中で知りたい内容は永遠に語られず、山場があるようでないという、ぬるま湯的なを微妙さを感じた作品でした。
8話なのでさぞかしスピード感ある展開を予測しましたが、謎のもっさり感というか…。
高校の同級生だった2人が、10年後に偶然の再会。ここからまた“全て”が始まる、というそんなラブストーリーです。
定番の流れというか、間違いない王道設定のお話なので安定感はあったのですが、私にとっては色々と気になる点がそれなりにあって、正直なところあまり入れ込んで視聴できませんでした。
個人的に前から気になっているユン・ジオンさんが主人公ホンジュの元カレとして出演されていたので、おっ!?とその部分は前のめりで注目していたのですが、彼の存在(もちろんキャラについてです)も「なんだかな…」という感じでガッカリしました。
なんだか全部が勿体ない!!
というのも、とにかく今作は全体的にキャラが全員低温調理状態なんですよね…。
全8話なのに、まだ全然煮え切ってない…!そんな印象を受けました。
キャラの良さが伝わりにくいというか、キャラとしての見せ場がイマイチ少ないというか。伝わってこないといいますか。
わかりやすいストーリー展開(=主人公の男女2人は高校の同級生で偶然の再会!)が前提としてあるだけに、いかにラブコメとしての見せ場を強くしてくれるかが勝負だと思うのですが、今作は根本的にそれが弱いなと残念に思いました。(偉そうにすみませんが、個人的な感想です。)
とはいえ、「間違いない」鉄板ラブストーリーだとは思いますので、コンパクトに恋愛ドラマを楽しみたい方にはピッタリではないでしょうか。
ゆるいネタバレありの感想


カン・フヨンが約10年ぶりに韓国に戻ってきました。
彼はアメリカでファイナンシャルプランナーのエリートとして働いていて、今回の帰国は1週間の予定。
カフェで知人と待ち合わせていた際、フヨンのテーブルに何とホンジュが間違えて座ってくるのでした。
すぐに彼女が”あの”ホンジュだ、と気づくフヨン。
実は彼ら2人は高校の同級生。実に10年ぶりの偶然の再会となります。
とはいえ、ホンジュは全く彼に気付いていない様子。
釈然としないフヨンは、彼女をその後問い詰めるのでした。
だってフヨンはずっと彼女のことが好きだったのですから。
親友が好きな人
高校の同級生だったらフヨンとホンジュ。ホンジュがなぜフヨンにそっけない態度を取ったのか…?
ホンジュの親友ヘジ(キム・ダソムさん)の存在が大きかったのかもしれません。
そもそもヘジは高校生の頃からフヨンが好きだったんですね。
今回フヨンが帰国したこともいち早くホンジュはヘジに伝えて、2人の仲を取り持とうとします。
とはいえ、10年もギャップがあるので、何となくこの序盤の3人には私は違和感を覚えましたが…。ヘジもずっとまさかフヨンを待っていたのではないでしょうし…。
フヨンとホンジュ、元カレ
韓ドラミラクルの発生で、フヨンとホンジュが同じ敷地に住むことになったのもあり、2人の距離は急接近。
加えてヘジがフヨンのことは好きではないとクリアになってから(?)、ホンジュも気分的にフヨンのことをより素直に考えられるようになったのかもしれません。
とはいえ、ここで大きく問題になってくるのが、ホンジュの元カレのジュノ(ユン・ジオンさん)の存在。
ジュノとは、過去に理由も告げられず突然"捨てられた"苦しい思い出がある別れ方をしているホンジュ。
ホンジュはフヨンと再会した偶然が今回ありましたが、元カレともなんと同時期に仕事を通じて再会していたのです。偶然が多い。
当然ホンジュは元カレのジュノに良い思いを抱いていませんが、一方のジュノはやたら積極的にホンジュに絡もうとしてくるようです。
ホンジュを巡って、ジュノとフヨンの気持ちが交差しつつ…。
気になった点
・昔と今の温度差の謎
今作では、今再会した2人→高校生の頃に実は~という形で過去の2人の感情が交互に描かれる構成です。
ただ、どう考えてもスタート地点から「お互い好きだったんだろうな」と100%察しがつく状況。且つ、実際その通りに進みます。
ですが、ホンジュの現在のキャラですが、とにかく常にフラットな感情表現で、結構気になりました。
高校時代のホンジュはフヨンに恋している、好意的なのが強く伝わる描写が多かったです。
ですが、反対に今のホンジュからはあまりその様子が見れず、観ていて微妙な雰囲気を受けました。
10代の2人から感じられた、(いわゆる)「ケミ」と呼ばれるような何かが消えているというか…。
端的に言って、役柄として(今の)カップルとしての愛情のようなものがホンジュとフヨンの描写から私は全然感じ取れなかったです。10代の頃の2人にはあったのに。
そのような意図の演出でしょうか?
フヨンもドライでクールなキャラでしたが、ホンジュが大人になった今が熱そう(?)なキャラなものの、割と冷えた印象のある態度を彼にしていることが多いように見え、私はそのように感じたことが多かった。
(あくまでも役柄についてで、演じられているジョンヒョプさんとソヒョンさんについてではありません)
・ホンジュ元カレとは何だったのか
彼との別れが、過去のホンジュと親類などの関係とリンクしていて、彼女にトラウマを残しているという深そうな設定になってはいます。
ただ、これについては8話で語るのは難しかったのか、想像以上に浅いものになっていました。
ジュノとの”真の別離”が一言で片付けられたものなってしまっていて、かなりガッカリしました。
ジュノにも言い分と大きな理由があったのですが、ホンジュにとっては「何も言わず消えた」人という構図がそもそも悪すぎるというか…。
最終的に「私は悪くない!」と過去のトラウマ全てをその一言で解決したようなまとめ方で、さすがにそれは雑すぎる…と残念に思えました。
加えてジュノの行動の行動の描写が、単なるしつこいストーカーのような男性になっていて、それもキャラ的にちょっと違うのではというか…。
元カレのジュノとは何だったのか…と思った次第です。
・高校生の頃の描写
個人的な感想ですが、今のフヨン&ホンジュとヘアメイク的に何ら差異を出さずに高校生時代を描いたのはちょっと手抜き的なものを感じました。(個人的な感想です)
もちろん悪くなかったですが、画面的に大きな変化がないなと単純に残念に思えました。
というのも、高校時代の描写は普通に4割ぐらいはありましたので、単なる衣装チェンジだけで済ました感があって、若干観ていてダレてしまいました。
・ダメ押しの母親登場
交際するフヨンとホンジュ、しかし問題としてフヨン君のアメリカ帰国がぶち上がります。
アメリカに帰れ!運動を進めるのが、当然フヨンの母。
物語後半になればなるほど、この話題がメインになってしまい萎えてしまうというか…。
観ていてストレスを感じるほどのレベルではないですが、こんな目に見えた地雷をぶっこむなら、主にサンピルの話などのエピソードに時間を割いてよ!と普通に観ていてイライラしてしまいました。すみません。
・サンピルとヘジ
サンピル君は明らかにヘジのことがずっと(!)好きだったと思いますので、彼が密かに失恋に直面していた苦しさなどを心底描いて欲しかったです。
普通に興味があったのに、完全に空気扱いでキャラ自体がとても勿体ないと思いました。
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ということで、全8話のドラマでしたが何も胸と頭に残らないというか、「あ…終わり…」という感じで視聴を終えたようなドラマでした。
序盤は面白いなと思っていたのですが、全8話が体感全12話ぐらいに思えてしまうぐらいでもっさり感が否めなかったです。
終わりに近づくにつれてどんどん妙に長く感じさせられるという、不思議な作品でした。
おすすめは特にしませんが、気になる方は是非チェックしてみてください。